● 宝誌和尚

「宝誌和尚」と検索すると、その立像が出てくるかと思います。
顔がぱっくりと真ん中で割れて、中から観音様のお顔が覗いている・・・という、やや気味悪い(すみません)仏像さまです。
この立像が東京の博物館に、一木彫仏(一本の木から作られた仏像さま)が集まり、展示されている催しがありました。友人からの誘いがあり、行ってみました。
そこにはたくさんの木の仏様がありました。一本の木から削りだしていますから、体のラインが木だった頃のラインに沿っているものがたくさんありました。
その中でも一番この「宝誌和尚」の像に惹かれました。
一本のまっすぐな木に、絶妙なバランスとデザインで彫られている、そのまっすぐさとシンプルさに、ぐっときたのだと思います。
ポストカードを買って帰り、加勢先生にも見ていただきました。
すると、この仏像の生い立ちを語ってくださいました。
「この像の木は、もともとお寺の柱だったんだね。大きな、太い柱で。
それが火災か何かで、お寺が焼け落ちてしまった。
その時に残った部分から、この像が彫られている。
お寺の柱が仏像に変わるというメタモルフォーゼと、
この像の、顔が割れて中から仏様が現れるというストーリーを
合わせているんじゃないかな。」
宝誌和尚という方は、中国のお坊さんなのですが、
お坊さんらしからぬ風貌で、お坊さんらしからぬ生活をしたり、
予言を行ったり、一時に複数の箇所に現れたり・・・という不思議な方だったそうです。
この和尚の肖像画を梁の武帝が描かせようとしたところ、
顔が割れて十一面観音が現れ、様々に変化して描くことができなかった、、、
という話が伝えられています。



